三好之長書状案(『戦国遺文 三好氏編』6号)

 

【原文】三好之長書状案(『大日本古文書石清水文書』所収辻村豊徳外四人所蔵文書)

香川中務丞方知行讃岐国西方元山同本領之事、可被渡申候、恐々謹言、

  永正参

    十月十二日    之長

   三好越前守殿

   篠原右京進殿

 

【読み下し】

香川中務丞方知行讃岐国西方元山同本領の事、渡し申さるべく候、恐々謹言、

 

【現代語訳】

香川中務丞元網の知行である讃岐国西部の元山(本山)と本領を、(元網に)お渡し下さい。恐々謹言。

 

【コメント】

三好之長が、三好越前守と篠原右京進に対して、香川中務丞の本領および元山の知行を認めるよう、伝達している文書です。

『大徳寺文書』771号によると、香川中務丞は香川元網と名乗っていたことがわかります。

讃岐国西方(西部)の元山は、山田郡本山のことかと思われます。

香川元網は、之長の息子の三好元長と一緒に行動するなどしていることから、今回も、何らかの戦功をあげて、本領と新たな知行として元山の支配を認められたものと思われます。

 三好越前守と篠原右京進(之良)の事績は明らかではありませんが、讃岐の有力者で、三好之長と行動をともにしていた者たちでしょう。


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