【古文書を読む】コンドームの歴史 紀元弐千五百三拾四年 売上帳

 





紀元弐千五百三拾四年 売上帳

【状態】痛みが激しい、ヤケ、汚れ、スレ、シミ、16×38.5cm

 

紀元2534年=明治7(1874)に作成された、ある商家の売上帳。

「ルウテサク」「ルウテ」=ルーデサック(コンドーム)が取引されていたことが分かって興味深い。

日本にコンドームが輸入されたのは明治初年ごろとされ、この資料に見える「ルウテ」は、当時の最新商品であった。

1858年の安政の五ヶ国条約によって、ヨーロッパから輸入されたものと見られる。

「開国」が日本にコンドームをもたらしたといえる。

世界史的にみると、コンドームは16~17世紀ごろから使われた記録があるといわれ、梅毒予防が目的だった。

最初は、リネン製のものや「フィッシュスキン」とよばれる動物の盲腸や膀胱 (ぼうこう) 、魚のうきぶくろを利用したものであった。

ラテックスゴム製のものは19世紀になって現れ、スキンとかサックとよばれた。

「コンドーム」という名称の由来は、17世紀なかばごろイギリス王室の侍医コントンContonによるとも、ラテン語のCondus(容器の意)によるともいわれている。

日本へは明治の初めに持ち込まれ、国産のゴムコンドームは1909年(明治42)ごろから発売された。

おもに軍隊を通じて普及し、性病予防の目的で軍需品扱いを受け、マッチ箱様のケースに2個入った通称「衛生マッチ」が休暇外出のたびに手渡された。

おもに陸軍では「突撃一番」、海軍では「鉄かぶと」とよばれた。

日本製のコンドームは品質が優れており、明治時代には輸入品だったが、現在では輸出もされている。


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