夏休みの自由研究:データとかあるんですか?
私が小学生だったころやらかした、夏休みの自由研究について、思い出を書いてみたい。
令和の世では、小学生には自由研究とかいう夏休みの宿題が課され、少なからざる少年少女が苦闘しているらしい。
私が小学生だった90年代も、今ほど口やかましく大流行はしていなかったが、そんな課題が実在した。
夏休み、海に遊びに行った。
私の自由研究は、「潮の満ち引きと魚の釣れ具合」というテーマだった。
海岸から投げ釣りをして、1時間ごとに何匹の魚が釣れたか、メモを取った。
すると、だいたい満潮の時刻の前後1時間くらいが、明らかに釣れた魚の数が少ない、というデータがあぶり出された。
これは、満潮や干潮の前後は「潮どまり」といって潮の動きがにぶくなるため魚が釣れなくなる、という現象である。
もちろん新発見とか大発見とかではなく、すでに広く世の中に知られている知識だ。
しかし、小学生の私は「満潮の時刻にもっともたくさん魚が釣れる」と思いこんでいたから、私の常識はくつがえされ、少なくとも私にとっては「新発見」であった。
私が小学生だったころの自由研究の思い出といえば、こんな感じだった。
令和の小学生がどんな研究をしているのか、ぜんぜん知らないのだが、なんか彼らが研究のネタ探しにかなり苦悩しているというお話は、たびたび耳にする。
一応は大学院を出たことにより研究をかじった経験をもつ私から、悩める小学生に指示厨ムーブをかますなら、やはり「観察して記録する」とか「数字のデータを取る」といった作業をすれば、それなりにイイ自由研究になるかもしれない。
「データとかあるんですか?」「それってあなたの感想ですよね?」と友だちから煽られても、ちゃんと反撃できるぜ。
余談だが、私の同級生は、ホームセンターで買ったヘリコプターの木製模型(組み立て式)を自由研究として提出した。
別にそれはそれでいいと思うけど、その模型を「自分で作ったヘリコプター」だと担任が勘違いして、彼はそれをガラス戸棚に飾っていた。
さらに余談だが、彼は授業中に私をぶん殴るという体罰をおこなって私を病院送りにした、というイカれた経歴を持つ、豪の者であった。
事件はもみ消されたが、その年度を最後に、彼は小学校から消えた。
その後の彼の消息を知る者はいない……。
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