多義語としての「童貞」

今回は多義語としての「童貞」について考察したい。


「やばい」という言葉は、良い場合にも、悪い場合にも使用される多義語である。

良くない、不都合という意味に加えて、近年は特に若者のあいだで肯定的な意味にも使用される。

「エモい」に近いニュアンスで、最高!とか、すごい!の意でも使用される、要するに心をふるわせる状況を表す。


話は変わって、僕はこれに近い多義語として、「童貞」という言葉を実に色々な場面で多用する。

なんでもかんでも「童貞だな!」と発言してしまうため、さすがに自分でも不自然さを覚える。

そこで、自分がどういう場面で、誰に対して「童貞」という語を使っているか、少し考えてみた。

①頭の悪い人

知識はあっても使いこなせないなど、正解を導く思考力の乏しい人間にでくわすと、「こいつ童貞だな」と肚の中で僕はつぶやく。

「馬鹿」「未熟」という意味で使用していると思われる。

②マナーの悪い人、法的・倫理的にアウトな人

法律やマナーを理解していない「未熟」な人に出くわした際に、「童貞かよ」と心中でそっとつぶやく。

③ラーメン屋の「天下一品」で隣の人が「こってりの大盛り」を注文したとき

「こってりの大盛り」は僕的には「鉄板のメニュー」だと思っている。鉄板=飾り気がない、素朴、純朴というところから、思わず「童貞だな」と思ってしまう。

しかしもし友人と天下一品に行き、こってり大盛りを注文して、横の友人から「おまえ童貞だな」と言われたら、ぶん殴りたくなるだろう。

④「黒さくの刺身」を見かけたとき

スーパーで「黒さくの刺身」と書かれた刺身が売られていたとき、「童貞か」と思ってしまった。

「黒さく」は聞いたことがない言葉だったので、有名じゃない魚→素朴・純朴な存在ということで、「童貞」を連想したらしい。

ところで、「黒さく」の意味をAIに質問してみた。Twitter君の回答はたぶん間違ってると思う。

【Grok3】(X、旧Twitterに搭載されたAI)

「名探偵コナン」に登場する「黒ずくめの組織」(くろずくめのそしき)に関連するキャラクター、黒澤陣(くろさわ じん、コードネーム:ジン)のことを指している可能性があります。

【Google】

「黒さく」とは、主に魚の身を刺身にする前に、食べやすく切り分けた状態を指します。「さく」は、魚の繊維に沿って、薄く長方形に切り分けたものを指します。特に、マグロの刺身にされる「黒さく」は、新鮮で美味しいとされています。


⑤許されざる童貞行為(けしからんシチュエーション)

けしからんなあ!と思うことに対して、「許されざる童貞行為」と表現することがよくある。

使用例:「痴漢など、許されざる童貞行為だろう!」

許されないようなことをする→未熟者→童貞、という連想らしい。


⑥同じ童貞として、僕は恥ずかしい!

これは煽り文句である。

相手を童貞と決めつけた上で、恥ずかしいヤツ呼ばわりするウザい煽りである。

もし相手が「童貞じゃない」と反論してきたら、「あ、ザコだから童貞かと思ったわ」と切り返す。

ちなみに、これは映画「ドラえもん のび太と海底鬼岩城」の「同じ海底人として、僕は恥ずかしい!」というセリフと、映画「ドラえもん のび太の月面探査記」の「同じ機械として、僕は恥ずかしい!」のパクリである。

F先生と辻村深月先生、すいません申し訳ありません。


つまり僕は「童貞」という言葉を、主に「未熟」か「素朴」な人や存在、行為に対して使用していることが分かった。

これは良い場合にも、悪い場合にも両方使用しているということだ。

だからそれが何なんだと思うけど、この記事には特に意味も目的もない。

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